中長期で資産運用を目指すならばスワップポイントに注目
FXにはレートの差により収益を稼ぐ為替差損益(スポット損益)と、各国の金利差によって付与されるスワップポイントによる収益と2つの収益方法があります。
短期取引には前者の為替差損益(スポット損益)が適していますが、中長期で資産運用を行いたいトレーダーは後者のスワップ収益を狙ったFXがオススメです。
スワップポイントとは、2国間の金利差から得られる利益のこと。日本円のような低金利通貨を売って、トルコリラのような高金利通貨を買うと、両通貨の金利の差額を受け取ることができるということ。
銀行にお金を預けても得られる利子は極僅かです。しかもちょっとコンビニなどでお金を下ろしたら、利子分なんてあっと言う間に吹き飛んでしまいます。
ところが世界に目を向けてみると、金利の高い国が結構あります。
なぜ金利が高いのかというと、これらの国は新興国だから。
日本や米国などは金利が低くても信頼性があるためお金は流入しますが、新興国はまだまだ成長過程にあります。
そのため国の信頼性が低く、金利を高く設定しないと対外的に資金が流入しづらいという現実があるからです。
では、実際いくらのスワップポイントが付与されるのか?
スワップポイントはいくら?
高金利通貨は、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソの3つの国が代表的。そのなかでも特に金利が高いのがトルコリラとなっています。
トルコの金利は現在8%(2017年12月時点) 。日本との金利差は8-0.1=7.9%となるため、仮に1万トルコリラ円を保有した場合、日々受け取れる金額はなんと80円前後となっています。
銀行の利子とは比べものにならないくらい大きいのがわかると思います。
しかも、スワップポイントは受け取れるタイミングが銀行の金利などとは異なり毎日付与されるという大きな特徴があります。(※土日分については特定の曜日に3日分付与されます)
シミュレーションしてみよう
それでは実際にトルコリラ円による資産運用をシミュレーションしてみましょう。
FXはレバレッジが使えるので外貨預金と比べ少ない資金でトルコリラ円を保有できます。
例えば、1万トルコリラ円を保有するために必要なお金(証拠金)は12,000円となっています(2018年3月21日時点)。ただしこの金額だけでトルコリラを保有することはNGです。
その理由は、このトルコリラ円を保有するために必要なお金(証拠金)は毎週見直しされます。このお金(証拠金)はレートに比例して変動するため、レートが高くなるとより多くのお金(証拠金)が必要になります。
また、レート変動によっても損益が発生するため、証拠金ギリギリでポジションを保有するとロスカットになるリスクもあります。
そもそも、スワップポイントを狙った中長期の資産運用としてトルコリラ円を保有するのであれば、僅かなレート変動に一喜一憂してヒヤヒヤした毎日を過ごすのではなく、心に余裕を持ってドンと構えた気持ちで運用するべきです。
そのため、証拠金に対して余裕のある資金を入金した上で運用を開始するのが大前提となります。
トルコリラ/円で1万通貨の買ポジションを1年間保有した場合
トルコリラ/円を1万通貨保有するために必要な証拠金は12,000円ですが、余裕を持たせるために80,000円を口座に入金して運用します。
この状態で1年間トルコリラ/円を保有した結果、1年間で31,390円のスワップ益を獲得する結果となりました。
しかしこのシミュレーションでは、レート変動による損益が加味されておりません。実際は、レートは日々変動を繰り返しているため、保有した時点よりレートが上げっていればスワップ益に加えたスポット益が加算されます。
反対にレートが下がってしまった場合は、スポット損失を計上することになるので注意が必要です。
※スワップポイントは日々変化します。上記は運用期間中にスワップポイントが86円(2018年3月21日実績)で変動しなかった場合の計算です。
※通貨ペアを構成する通貨のうち、相対的に高金利の通貨を売った場合、または相対的に低金利の通貨を買った場合には、その取引数量相当のスワップポイント(通貨ペアを構成する両通貨の金利差の調整額)の支払い額が日々蓄積され、時間の経過に比例して損失額が大きくなりますのでご注意ください。また、現時点でスワップポイントを受け取れるポジションであっても、将来にわたって通貨ペアを構成する両通貨の金利差が縮小または逆転した場合には、その受け取り金額が縮小したり、反対に支払いへと転ずる可能性がございます。
いくらレートが動くといくらの損益になるの?
レートの変動によって、いくらの損益が発生するのか?
例えば1万トルコリラ円を保有した場合、レートが0.1銭動くと10円、1銭で100円、10銭で1000円、100銭(1円)で1万円の損益となります。
この考え方は、どの通貨でも基本は同じなので覚えておきましょう。
なお、レートの変動は通貨ペアによってまちまちです。
レートは様々なことが要因で変動します。例えばトランプ大統領のツイッターでもレートは変動しますし、各国が発表する経済指標の結果によっても変動します。
トルコのような新興国は何かのニュースをきっかけに大きく変動する可能性が高くなるため、より注意が必要となります。
スワップポイントだけを振り返られるサービス
スワップポイントは保有しているポジションに対して付与されます。そのため、通常はポジションを保有している間はその付与されたスワップポイントを利用することはできません。
しかし、FX会社によってはポジションを決済しなくてもスワップポイントだけを定期的に受け取れることができる便利なサービスを提供している会社があります。
この機能を使えば、お小遣い感覚でスワップポイントだけを出金したり、FX取引に利用することが可能です。
超低金利の銀行に貯金をするだけではなく、FXの特徴であるレバレッジを最大に生かした中長期の資産運用を検討してみてください。